キャリア教育コラム

アダプティブ・ラーニング国内外サービス 17選

更新日:2019/02/02

アダプティブ・ラーニング(適応学習)は、学習者ひとりひとりの進行度・理解度にあわせて学習の内容やレベルを調整する学習方法を指します。ICT(情報通信技術)を教育に活用したEdtechのひとつとして注目されており、教育現場でも徐々に浸透しつつあります。

今回は、海外および国内のおもなアダプティブ・ラーニングサービスについて解説します。ゲーム感覚で楽しく学べるサービスやチューターとオンライン会話できるサービスをはじめ、現時点でさまざまなサービスが登場しています。

海外のアダプティブ・ラーニング

アメリカを中心に、多くのアダプティブ・ラーニングサービスが登場しています。

Knewton

image(c)Knewton
URL:https://www.knewton.com
アダプティブ・ラーニングのパイオニア的存在であるKnewtonは、人間の学習の仕組みや学習者本人および他の学習者の学習行動データなどをもとに、学習者ひとりひとりに合わせた学習ステップを提供します。

指導者(教師)はクラス全体の学習進捗や誰がどこでつまずいているかなどを把握し、学習者を適切にサポートすることができます。2016年現在、Knewtonは日本を含む約20ヶ国でサービスを展開しています。

Dreambox

image(c)Dreambox

URL:http://www.dreambox.com/adaptive-learning
中学2年生までを対象とした、算数・数学に特化したアダプティブ・ラーニングサービスです。人工知能が学習者ひとりひとりの理解度を判断し、学習の進行度や理解度に合わせたヒントやアドバイスを提供します。

学習者の苦手意識をやわらげ理解度を深めるため、グラフィックを活用して算数・数学の概念を視覚的に表現しています。

Motion Math

image(c)Motion Math

URL:https://motionmathgames.com/
スタンフォード大学の教育研究グループによって開発された、ゲーム形式で楽しく算数を学べるアプリケーションサービスです。

子どもたちがつまずきがちな分数や整数・小数・マイナスなどの概念もシンプルなゲームを通して感覚的に理解でき、英語がわからなくてもプレイできるよう設計されているので英語話者以外の子どもでも使いやすいでしょう。応用力を高めるため、複数名で協力して課題に挑戦するゲームもあります。

Brightspace LeaP

image(c)Brightspace LeaP

URL:https://www.d2l.com/products/leap/
小学生~社会人教育まで幅広い層をカバーしており、教師が学習者ひとりひとりの習熟度に合わせたカリキュラムを組めるのが特徴です。

教師は「チュートリアル動画Aを視聴したらワークシートAへアクセス可能になる」というふうに生徒ひとりひとりに対して各学習オブジェクト(チュートリアル動画・ワークシート・評価シートなど)へのリリース条件を設定できます。

Smart Sparrow

image(c)Spart Sparrow

URL:https://www.smartsparrow.com/
カリキュラム構成テンプレートが豊富で、より柔軟度の高いカリキュラム構成が可能になっています。授業の前後にオンラインコースを学ぶことで、反転授業(例えば本来授業で学ぶ内容を予習で学び、宿題となることが多い演習などを授業中に行うなどして、学びのインプット・アウトプットを反転させる学習方式)に応用することも可能です。

Fishtree

image(c)Fishtree

URL:https://www.fishtree.com/
Fishtreeは、アメリカだけでなく教育先進国である韓国の教育現場でも広く取り入れられています。学習者は自らの学力・興味に合わせた教材を使って学ぶことができます。

教師はフリーのコンテンツ作成ツールを使って短時間で生徒ひとりひとりに合わせたカリキュラムを作成でき、さらに教材の検索・発見や低成績者のフォローといった日常業務もサポートしてもらうことができます。

Knowre Math

image (c)Knowre Math

URL:http://knowre.com/
数学に特化した、中学生向けのアダプティブ・ラーニングサイトです。生徒がログインするとRPGゲームのワールドマップのようなカリキュラムマップが表示され、問題を解くとコインを獲得してマップを拡大させることができます。

Knowre Mathでは単に問題を出すだけでなくなぜ間違えたかを分析し、分析結果に応じてオーダーメイドのコンテンツを提供します。アメリカでは、おもに学習が遅れている生徒の補習用として導入されています。

Lexia Reading Core5

image(c)Lexia Reading Core5

URL:https://www.lexialearning.com/products/core5
Lexia Reading Core5は、国語(英語)に特化したアダプティブ・ラーニングサービスです。幼稚園から小学5年生を対象としており、すべての生徒は自分の好きなペースで学習を進めることができ、教師からの指導・サポートが必要な場合を除けばどんどん先のレベルに進むことができます。

各生徒の評価は、学力テストではなくおもに日々の学習の進捗チェックによって行います。

Think Through Math

 

image(c)Think Thought Math

URL:https://lms.thinkthroughmath.com/users/sign_in
3年生以上を対象とした算数・数学のアダプティブ・ラーニングサービスです。レッスンはゲーム理論に基づいて構成されており、わからない部分があったらチューターからオンライン通話やチャット形式でアドバイスをもらうことができます。さらに問題を解くことでポイントを獲得し、そのポイントを実際のドルに変換してチャリティー寄付を行うことができます。

自習室

image(c)自習室

URL:https://www.edulab-inc.com/works/cat01/367/
2017年にサービスが始まった中国の学習塾「自習室」には、アダプティブ・ラーニングの手法が取り入れられています。オンラインテストを実施することで生徒の理解度やつまずきやすい箇所を正確に把握し、学習ログを蓄積しつつ生徒ひとりひとりに合わせた学習サービスを提供できるようになります。

こうしたオンライン学習と従来型のオフライン授業を組み合わせることで、より細やかな指導や講師と保護者との綿密なコミュニケーションが可能になります。

日本のアダプティブ・ラーニング

Classi

image(c)Classi

URL:https://classi.jp/about/
小学校から専門学校まで利用可能な学習支援プラットフォームです。アダプティブ・ラーニング機能は高校・中高一貫校・専門学校を対象としており、学習者は自身の学力やWebテストの結果に見合ったレベルのWebドリルや学習動画で学ぶことができます。

アダプティブ・ラーニング機能の他にも、アクティブラーニングに役立つ共有フォルダ機能や生徒・教師・保護者の交流をサポートする掲示板・メッセージ機能が搭載されています。

Z会Asteria

image(c)Z会Asteria

URL:https://www.zkai.co.jp/home/z-asteria/
Z会Asteriaでは、中学生・高校生から社会人までを対象とした無学年制カリキュラムを採用しています。カリキュラムの内容はこれからの社会で特に必要とされる英語・数学・総合探求に絞ってあり、授業の動画を視聴したり受講者どうしでオンライン・ディスカッションを行ったりすることも可能です。

すらら

image(c)すらら

URL:https://surala.jp/
動画配信・ゲーム・問題集を組み合わせたオンラインアニメーション教材です。キャラクターを使った対話型学習、学習者のレベルに合わせたオーダーメイド出題、問題を解いてライバルより高い得点を取るゲームイベントなどがおもな特徴です。

無学年学習システムを採用しており、苦手克服のために前の学年の学習内容に戻ったりどんどん先の学習内容に進んだりすることも可能です。

Quipper School Japan

image(c)Quipper School Japan

URL:https://www.ja.quipperschool.com/
Quipper Schoolは、アメリカや東南アジアでも広く取り入れられているオンライン学習システムで、このサイトは日本向けに作られたサイトになっています教師は各生徒に合わせてレッスンや問題を選択し、生徒の学習履歴を確認することができます。また、既存の教育コンテンツを編集したり新しいレッスン・問題を作成したりすることも可能です。

生徒は学習することでコインをためていき、またタイムライン機能で他の生徒の学習状況を確認することも可能で、ゲーム感覚で学習を楽しむことができます。

RICS

image(c)RICS

URL:http://www.ritsumei.ac.jp/mrc/news/article.html/?id=670
RICS(Ritsumeikan Intelligent Cyber Space)は、立命館守山中学校・高等学校が共同で推進しているアダプティブ・ラーニングシステムです。生徒が問題を解くと、それまでに蓄積された膨大な学習ログをもとに次に解くのにふさわしい問題が自動的に選ばれ表示されます。

中学・高校・大学間での学習行動ログの共有は、一貫教育校ならではの強みと言えるでしょう。

atom

image(c)atom

URL:https://mates-app.jp/atom/
atomは、学習塾を対象としたアダプティブ・ラーニング教材アプリです。間違えた問題を正解するまで繰り返し表示したり、間違えた問題だけをリストアップして復習に役立てたりすることができます。また、診断テストの結果から苦手項目を割り出して問題を表示することも可能です。

学習塾にこうした学習システムを取り入れることで、講師にかかる業務負担や人件費を削減するのに役立ちます。

Qubena

image(c)Qubena

URL:https://qubena.com/
2018年度グッドデザイン賞を受賞したQubenaは、世界で初めての人工知能型教材です。算数・数学の得意・不得意を人工知能によって分析し、受講者ひとりひとりに合わせた学習フローに沿って問題を表示します。手書き学習機能を利用することで、ノートと鉛筆を使うのと同じ感覚で学習することができます。

アダプティブ・ラーニングの普及で、学習がもっと楽しいものに

ICT教育の普及にともなって、学習者ひとりひとりの学習進行度や理解度に合った内容の教材を提供するアダプティブ・ラーニングが教育に導入されつつあります。Edtech先進国であるアメリカを中心に、さまざまなアダプティブ・ラーニングサービスが登場しています。

日本国内ではまだアダプティブ・ラーニングの知名度は高くないものの、新しいアダプティブ・ラーニングサービスがいくつも登場しており、その多くは子どもが楽しみながら学べるようさまざまな工夫が凝らされています。

現代の子どもの多くは「学校の勉強はつまらないもの、真面目に努力しなければならないもの」と考えています。しかし今後アダプティブ・ラーニングが普及すれば、子どもたちが学習に対して抱くイメージももっと違ったものになるでしょう。

 

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執筆者:キャリア教育ラボ編集部